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【検索順位が下がった時】考えられる15の原因と今すぐできる対策

【検索順位が下がった時】考えられる15の原因と今すぐできる対策

「昨日まで上位表示されていたのに、なぜか検索順位が下がってしまった…」 「Webサイトからのアクセスが急に減った…原因がわからない」

Webサイトを運営している方なら、一度はこのような検索順位の変動に直面し、不安や焦りを感じたことがあるのではないでしょうか。検索順位の下落は、サイトへのアクセス数やコンバージョン、ひいてはビジネスの売上に直接影響を与える可能性があるため、看過できない問題です。

しかし、過度に心配する必要はありません。検索順位が下がるのには、必ず何かしらの原因が存在します。重要なのは、その原因を冷静に突き止め、適切な対策を講じることです。

この記事では、検索順位が下がる可能性のある主な原因を網羅的に掘り下げ、それぞれの原因を特定するための具体的な方法、そして実践的な対策までを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。順位下落にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みいただき、問題解決の糸口を見つけてください。

なぜ検索順位は変動するのか?

まず基本的なこととして、検索エンジンの順位は固定されたものではなく、常に変動する可能性があるという点を理解しておく必要があります。Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーに対して、その時々で最も関連性が高く、有益な情報を提供することを目指しています。

そのために、Googleは日々、数百もの細かな調整を含む検索アルゴリズムのアップデートを行っています。これにより、評価基準が変化し、昨日まで上位だったサイトが今日下がる、あるいはその逆の現象が起こるのです。これは、より良い検索結果を提供するための自然なプロセスと言えます。

しかしながら、一時的な小さな変動ではなく、大幅な順位下落が起きたり、下落傾向が継続したりする場合は、単なるアルゴリズムの日常的な調整以上の、明確な原因がサイト側、あるいは外部環境に存在すると考えられます。

検索順位が下がる主な原因:4つのカテゴリー

検索順位の下落を引き起こす原因は多岐にわたりますが、大きく以下の4つのカテゴリーに分類して考えることができます。ご自身のサイトがどのカテゴリーに当てはまる可能性が高いか、考えながら読み進めてみてください。

1. Googleアルゴリズム要因

検索エンジンの”ルール変更”に起因する順位変動です。サイト自体に問題がなくても影響を受けることがあります。

1.1. コアアルゴリズムアップデートの影響

Googleは年に数回、検索ランキングの仕組みに広範囲かつ重要な変更を加える「コアアルゴリズムアップデート」を実施します。これは、特定のサイトや問題をターゲットにするというより、コンテンツ全体の評価方法を見直すものです。

  • 詳細: このアップデートにより、これまで評価されていたサイトの評価基準が変わり、大幅な順位変動が起こることがあります。特に、ユーザーのお金や健康、安全、幸福に大きな影響を与える可能性のあるYMYL(Your Money Your Life)と呼ばれるジャンル(金融、医療、法律、公的情報など)のサイトは、情報の信頼性や権威性がより厳しく評価されるため、影響を受けやすい傾向にあります。
  • 対策: アップデートがあった際は、まず慌てずにGoogle検索セントラルブログなどの公式発表を確認しましょう。特定の対処法が示されるわけではありませんが、Googleがどのような点を重視するようになったのかを知るヒントになります。基本的には、Googleの「品質評価ガイドライン」で示されているような、ユーザーにとって価値が高く、E-E-A-T(Experience – 経験、Expertise – 専門性、Authoritativeness – 権威性、Trustworthiness – 信頼性)を満たすコンテンツを作成・改善していくことが、長期的な対策となります。

1.2. 特定のアルゴリズムアップデート(過去の例:パンダ、ペンギンなど)

過去には、低品質なコンテンツ(パンダアップデート)や不自然なリンク(ペンギンアップデート)を排除することを目的とした、特定のアルゴリズムアップデートが存在しました。これらは現在、多くがコアアルゴリズムに組み込まれていますが、その考え方は依然として重要です。

  • 詳細: 例えば、他サイトからのコピーコンテンツが多い、自動生成された意味のない文章、ユーザーを欺くような隠しテキストや隠しリンク、価値の低いサイトからの大量のリンク購入などが検知されると、ペナルティとして順位が大きく下がる可能性があります。
  • 対策: Googleのウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)を遵守することが基本です。ユーザーのために独自性のある役立つコンテンツを作成し、検索順位を操作するようなスパム行為や不正なリンク構築は絶対に避けましょう。

2. テクニカルSEO要因

サイトの技術的な設定や構造上の問題が、検索エンジンのクロール(情報収集)やインデックス(データベースへの登録)、評価を妨げているケースです。

2.1. インデックス登録の問題

検索結果に表示されるためには、まずGoogleのクローラーにページを発見され、内容を理解され、インデックスに登録される必要があります。このプロセスに問題があると、順位が下がるどころか、検索結果に全く表示されなくなってしまいます。

  • 詳細: 具体的には、ページの<head>セクションに誤ってnoindexタグが記述されていたり、サーバーのルートディレクトリにあるrobots.txtファイルで重要なページやディレクトリへのクローラーのアクセスを拒否(Disallow)していたりするケースが考えられます。サイトリニューアル時などに誤って設定してしまうことも少なくありません。
  • 対策: Google Search Consoleの「カバレッジ」レポートを確認し、「エラー」や「除外」に重要なページが含まれていないかチェックします。もし問題があれば、noindexタグの削除やrobots.txtの記述修正を行い、修正後に「インデックス登録をリクエスト」機能を使うと、再クロールとインデックス登録を促すことができます。特定のURLについては、「URL検査」ツールを使うと、インデックス状況や検出された問題を詳細に確認できます。

2.2. サイトスピード(表示速度)の低下

ページの読み込み速度は、ユーザー体験に直結する重要な要素であり、Googleのランキング要因の一つにもなっています(Core Web Vitalsの一部であるLCPなどが指標)。表示が遅いサイトは、ユーザーが離脱しやすく、コンバージョン率も低下する傾向があります。

  • 詳細: 画像ファイルが大きすぎる(未圧縮)、ブラウザキャッシュが活用されていない、サーバーの応答が遅い、レンダリングをブロックするJavaScriptやCSSが多い、などが主な原因として挙げられます。特にモバイル環境では、回線速度が遅い場合もあるため、表示速度の重要性はさらに高まります。
  • 対策: Googleの「PageSpeed Insights」ツールを使って、ページの表示速度をPCとモバイルの両方で測定しましょう。このツールは、具体的な問題点(例:「適切なサイズの画像」「使用していない JavaScript の削除」など)と改善策を提示してくれます。指摘された項目に基づき、画像の圧縮・最適化、キャッシュ設定の見直し、サーバー環境の改善、コードの最適化などを実施します。

2.3. モバイルフレンドリーでない

現代では、スマートフォンからのインターネット利用が主流であり、Google検索もモバイルユーザーを第一に考えた「モバイルファーストインデックス」を採用しています。これは、モバイル版のページを基準にサイトを評価し、インデックス登録することを意味します。

  • 詳細: そのため、スマートフォンで閲覧した際に、文字が小さすぎて読みにくい、リンクやボタンが押しにくい、横スクロールが必要になる、Flashなどのモバイル非対応技術を使用しているといったサイトは、モバイル検索での評価が低くなり、順位下落につながる可能性があります。
  • 対策: Googleの「モバイルフレンドリーテスト」ツールで、対象ページがモバイル対応できているかを確認します。問題がある場合は、レスポンシブウェブデザイン(画面サイズに応じてレイアウトが自動調整されるデザイン)を導入したり、フォントサイズやタップ要素の間隔を調整したりするなどの改善が必要です。Search Consoleの「モバイルユーザビリティ」レポートでも、サイト全体の問題を確認できます。

2.4. HTTPS化されていない、または設定ミス

サイト全体の通信を暗号化するHTTPS(常時SSL化)は、ユーザーのセキュリティとプライバシーを守る上で不可欠であり、Googleもランキング要因の一つとしています。

  • 詳細: まだサイトがHTTPのまま運用されている場合は、HTTPS化することで若干のランキング向上効果が期待できる一方、対応していないことが不利になる可能性があります。また、HTTPS化したものの、HTTPからHTTPSへのリダイレクト(転送)設定が正しく行われていない(例:302リダイレクトになっている、一部ページしかリダイレクトされない)、あるいはHTTPSページ内にHTTPの画像やスクリプトなどが混在する「混合コンテンツ(Mixed Content)」が発生している場合も、セキュリティ上の警告が出たり、評価が不安定になったりする原因となります。
  • 対策: まだの場合は、SSLサーバー証明書を取得・設定し、サイト全体をHTTPS化します。その際、全てのHTTPアクセスを対応するHTTPSのURLへ恒久的に転送する「301リダイレクト」をサーバー側で正しく設定することが重要です。混合コンテンツは、ブラウザの開発者ツールなどで確認し、HTTPリソースをHTTPSに修正するか、削除します。

2.5. サイト構造の問題

ユーザーや検索エンジンが、サイト内の情報をスムーズに見つけ、理解できるような分かりやすい構造になっているかどうかも重要です。

  • 詳細: 例えば、トップページから目的のページにたどり着くまでに何度もクリックが必要な深い階層構造、重要なページへの内部リンクが不足している、パンくずリストがない、サイト内の関連ページ同士が適切にリンクされていない、といった構造は、クローラーがサイト全体を効率的に巡回するのを妨げ、重要なページが発見・評価されにくくなる原因となります。また、サイト内のリンク切れ(404エラー)が多い状態も、ユーザー体験を損ない、クローラビリティを低下させます。XMLサイトマップが古い、あるいは送信されていない場合も、クローラーが新しいコンテンツや変更を認識しにくくなります。
  • 対策: 論理的で分かりやすいカテゴリ分類を心がけ、重要なページへは少ないクリック数で到達できるようにサイト構造を見直します。関連性の高いページ同士を内部リンクで結びつけ、パンくずリストを設置しましょう。定期的にリンク切れチェックツールなどでサイト内をスキャンし、リンク切れがあれば修正します。XMLサイトマップは、ツールなどを使って生成・送信し、コンテンツを追加・更新したら速やかに更新・再送信することが推奨されます。

2.6. サーバーエラー

ユーザーやクローラーがサイトにアクセスしようとした際に、サーバー側の問題でページが表示されない状況が頻発すると、SEOに悪影響を及ぼします。

  • 詳細: サーバーがダウンしていたり、アクセス集中などでサーバーの応答が極端に遅くなったり、5xx系のサーバーエラー(例:500 Internal Server Error, 503 Service Unavailable)が頻繁に発生したりすると、クローラーはページの内容を取得できません。これが続くと、Googleはそのページをインデックスから削除したり、評価を下げたりする可能性があります。
  • 対策: 利用しているレンタルサーバーの障害情報を確認したり、サーバーのスペック(処理能力、転送量など)がサイトの規模やアクセス数に見合っているかを見直したりする必要があります。サーバーエラーが発生した場合は、サーバーのログなどを確認し、原因を特定して速やかに復旧させることが重要です。Search Consoleの「カバレッジ」レポートでは、サーバーエラー(5xx)の発生状況を監視できます。

3. コンテンツ要因

サイトの中心であるコンテンツ(記事、情報)の質や内容、構成に関する問題です。ユーザーの検索意図に応えられているかが鍵となります。

3.1. 低品質なコンテンツ

Googleが目指すのは、ユーザーの疑問や要求に対して、最も的確で満足度の高い答えを提供することです。そのため、コンテンツの質はランキングを決定する上で最も重要な要素の一つです。

  • 詳細: 他のサイトにある情報を単にコピー&ペーストしたり、少し言い回しを変えただけのリライト記事、情報が古くて現状と合っていない、誤った情報や信頼性の低い情報、ユーザーが何を知りたくて検索したのか(検索意図)を全く満たせていない、あるいは文字数が極端に少なく情報量が乏しいといったコンテンツは、「低品質」と判断され、評価が低くなる傾向があります。
  • 対策: ターゲットとするキーワードで検索するユーザーが、何を求めているのかを深く理解し、その答えとなるような、正確で、網羅的で、信頼でき、そして可能であれば独自の視点や分析、体験談などを含む「オリジナルな価値」を提供できるコンテンツを作成・改善することが不可欠です。定期的に情報を見直し、最新の状態に更新することも重要です。

3.2. 重複コンテンツ

サイト内に、URLは異なるものの内容がほとんど同じ、あるいは完全に同一のページが複数存在している状態は、検索エンジンにとってもユーザーにとっても好ましくありません。

  • 詳細: 例えば、PC版とスマホ版でURLが異なるのに内容が同じ、ECサイトで色違いの商品ごとに別々のページがあるが説明文はほぼ同じ、パラメータ付きURL(example.com/page?id=1など)とパラメータなしURL(example.com/page)で同じ内容が表示される、などのケースが考えられます。このような重複コンテンツが存在すると、Googleはどのページを正規のページとして評価・インデックスすべきか混乱し、ページの評価が分散してしまったり、意図しないページが検索結果に表示されたり、最悪の場合コピーコンテンツとしてペナルティを受けたりする可能性があります。
  • 対策: まず、重複が発生しているページを特定します。Search Consoleのレポートや、専用のチェックツールなどが役立ちます。重複を解消するには、内容が同じページを一つにまとめ、不要なページから正規のページへ301リダイレクトを設定するのが最も良い方法です。それが難しい場合は、canonical(カノニカル)タグを使って、検索エンジンに「こちらが正規のURLですよ」と伝える方法があります。また、パラメータ付きURLなどが原因の場合は、Search ConsoleのURLパラメータツールで処理方法を指定することも可能です。不要なページはnoindexタグでインデックス対象外とすることも検討します。

3.3. キーワードカニバリゼーション

「カニバリゼーション(共食い)」という言葉の通り、サイト内で複数のページが同じようなキーワードで検索上位表示を狙ってしまい、互いに評価を食い合ってしまっている状態を指します。

  • 詳細: 例えば、「SEO対策 やり方」というキーワードに対して、似たような内容の記事ページが複数存在すると、Googleはどのページがこのキーワードに対する最も適切な答えなのかを判断しにくくなります。結果として、どのページの評価も中途半端になり、本来獲得できるはずだった順位よりも低くなってしまったり、意図していたページとは別のページが上位に表示されてしまったりすることがあります。
  • 対策: 各ページがターゲットとするメインキーワードと、そのページが提供する独自の価値(役割)を明確に定義することが重要です。キーワード調査ツールなどを使って、各ページが狙うべきキーワードを整理し、重複がある場合は、コンテンツの内容を見直して差別化を図るか、情報が重複しているページを統合(リライトして一つにまとめ、不要な方は301リダイレクト)するなどの対策を行います。

3.4. コンテンツの大幅な変更・削除

これまで検索エンジンに評価され、順位を獲得していたページのコンテンツ内容や構成を大きく変更したり、ページ自体を削除したりすれば、当然ながら評価は変動します。

  • 詳細: 例えば、記事の内容を全面的に書き換えたり、ページのタイトルや見出し構成を大きく変えたり、URLを変更したり、ページを削除したりした場合、Googleはそのページを再評価する必要があります。変更が良い方向であれば順位が上がる可能性もありますが、逆に重要なキーワードが失われたり、ユーザーの意図とのずれが生じたりすると、順位が下がることもあります。URLを変更してリダイレクト設定を忘れると、それまでの評価はほぼリセットされてしまいます。
  • 対策: コンテンツをリライトしたり、サイト構成を変更したりする際は、なぜその変更が必要なのか、変更によってユーザー体験や情報価値がどう向上するのかを明確にした上で慎重に行うべきです。特にURLを変更する場合は、必ず古いURLから新しいURLへ301リダイレクトを設定し、これまでの評価を引き継ぐようにします。ページを削除する場合も、代替となるページがあればそちらへリダイレクトするか、削除が適切であれば404または410ステータスコードを返すようにします。

3.5. ユーザー体験(UX)の低下

検索エンジンは、最終的にはユーザーの満足度を重視しています。そのため、サイトの使いやすさやコンテンツの見やすさといったユーザー体験(UX: User Experience)も、間接的に検索順位に影響を与える可能性があります。

  • 詳細: 例えば、ページを開いた瞬間に大きな広告が表示されてコンテンツが隠れてしまう、本文中に広告が多すぎて読みにくい、サイト内のナビゲーションが分かりにくくて目的の情報にたどり着けない、文字が小さすぎたり行間が詰まりすぎていたりして読みにくい、専門用語ばかりで理解が難しい、ページの表示が極端に遅い(テクニカル要因とも関連)、といった点は、ユーザーのストレスとなり、直帰率の上昇や滞在時間の低下につながります。Googleはこれらのユーザー行動シグナルも評価の参考にしていると考えられています。Core Web Vitals(LCP, FID/INP, CLS)も、UXを測る重要な指標です。
  • 対策: 常にユーザーの視点に立って、サイトのデザインやレイアウト、コンテンツの表現を見直すことが重要です。広告の配置や量、ナビゲーションの分かりやすさ、テキストの可読性(フォントサイズ、行間、見出しなど)、専門用語の解説などを改善します。Google Analyticsなどでユーザー行動データを分析し、どのページで離脱が多いか、滞在時間が短いかなどを把握し、改善点を探るのも有効です。

4. 外部・競合要因

自社サイトの内部的な要因だけでなく、外部からの影響や競合サイトの動向によって、相対的に順位が変動するケースです。

4.1. 競合サイトのSEO強化

自社のサイトに特に問題がなく、コンテンツの質も維持・向上させているにも関わらず順位が下がることがあります。その場合、競合サイトがより優れたSEO施策を実施した可能性があります。

  • 詳細: 検索結果の順位は、常に相対的な評価で決まります。競合サイトが、よりユーザーの検索意図に合致した質の高いコンテンツを公開したり、より効果的なキーワード戦略を展開したり、技術的な改善を行ったり、質の高い被リンクを獲得したりすることで、自社サイトの順位を上回ることがあります。
  • 対策: 特定のキーワードで上位表示されている競合サイトが、どのようなコンテンツを提供しているのか、どのようなサイト構造になっているのか、どのような被リンクを獲得しているのかなどを定期的に分析することが重要です。競合の優れた点や新しい取り組みを参考にしつつ、自社サイトならではの強みや独自性を活かした改善策を継続的に実施していく必要があります。

4.2. 被リンクの質の低下・喪失、ペナルティ

他のサイトから自社サイトに向けられたリンク(被リンク、バックリンク)は、Googleがサイトの信頼性や権威性を評価する上で重要なシグナルの一つです。しかし、その質と量が問題になることがあります。

  • 詳細: これまで獲得していた質の高いサイトからの被リンクが、リンク元サイトの閉鎖やページ削除などによって失われると、サイトの評価が下がり、順位に影響することがあります。逆に、Googleのガイドラインに違反するような低品質なスパムサイトからのリンクや、作為的なリンク(例:有料リンク、過剰な相互リンクなど)が大量に増えると、Googleから不自然なリンクとして認識され、ペナルティ(手動による対策、またはアルゴリズムによる評価減)を受けて順位が大幅に下落する可能性があります。
  • 対策: Google Search Consoleの「リンク」レポートなどを定期的に確認し、どのようなサイトからリンクされているか、不自然なリンクが増えていないかを監視します。もし、自社の意図しない低品質なリンクやスパムリンクを発見した場合は、「リンク否認ツール」を使ってGoogleにこれらのリンクを評価対象から除外するよう申請することができます。手動による対策(ペナルティ)を受けているかどうかは、Search Consoleの「手動による対策」セクションで確認できます。もしペナルティを受けている場合は、原因となっている問題を修正し、Googleに再審査リクエストを送信する必要があります。最も重要なのは、質の高いコンテンツを作成し、他のサイトから自然にリンクしてもらえるような価値を提供することです。

原因を特定するための具体的な方法

原因を特定するための具体的な方法

さて、考えられる原因が多岐にわたることが分かりました。では、自分のサイトの順位下落がどの原因によるものなのかを特定するには、どうすればよいのでしょうか?以下のツールや手法を組み合わせて、原因を絞り込んでいきましょう。

1. Google Search Console(サーチコンソール)の活用

これは必須ツールです。 まだ導入していない場合は、すぐに設定しましょう。無料で利用でき、Googleから見た自社サイトの状態を知るための最も重要な情報源となります。

  • 注目すべきレポート:
    • 検索パフォーマンス: どのキーワードで、どのくらいの期間に順位が下がったのか、クリック数や表示回数の変動を確認します。特定のページやキーワードに問題が集中しているか、サイト全体で下落しているかを把握します。
    • カバレッジ: インデックスに関するエラー(サーバーエラー、404エラーなど)や、除外されたページ(noindexrobots.txtによるブロック、重複コンテンツなど)がないかを確認します。インデックス数の急激な減少は、技術的な問題を示唆します。
    • エクスペリエンス(ページエクスペリエンス、ウェブに関する主な指標、モバイルユーザビリティ): サイトスピード(Core Web Vitals)、モバイル対応状況、HTTPSの使用状況に関する問題がないかを確認します。「不良URL」が多い場合は、ユーザー体験に問題がある可能性が高いです。
    • 手動による対策: Googleからペナルティを受けていないかを確認します。ここに記載がある場合は、最優先で対応が必要です。
    • リンク: どのようなサイトからリンクされているか(外部リンク)、不自然なリンクが増えていないかを確認します。また、リンクが急減していないかもチェックポイントです。

2. Google Analytics(アナリティクス)での分析

Search ConsoleがGoogle検索からの視点であるのに対し、Analyticsは実際にサイトを訪れたユーザーの行動を分析できます。順位下落がアクセス数やユーザー行動にどう影響しているかを確認しましょう。

  • 注目すべきデータ:
    • 集客レポート(参照元/メディア): 自然検索(Organic Search)からのトラフィックが実際に減少しているか、いつから減少しているかを確認します。他のチャネル(例:SNS、広告)からの流入と比較します。
    • 行動レポート(サイトコンテンツ > すべてのページ or ランディングページ): どのページのアクセス数が特に減少しているか、直帰率や離脱率が悪化しているページはないか、平均ページ滞在時間が短くなっているページはないかなどを分析します。UXの低下やコンテンツのミスマッチを示唆する場合があります。
    • 期間比較: 順位が下がる前と後で、上記の各指標を比較することで、変化をより明確に捉えることができます。

3. 順位チェックツールの利用

特定の重要キーワードについて、日々の検索順位変動を自動で記録・追跡できるツール(有料・無料あり)を活用するのも有効です。

  • 活用方法: Googleのアルゴリズムアップデートがあった日や、サイトに大きな変更を加えた日などと、順位変動のタイミングを照らし合わせることで、原因の特定に役立ちます。また、競合サイトの順位変動も同時にチェックできるツールを使えば、市場全体の動きの中で自社サイトの状況を把握できます。

4. PageSpeed Insights / モバイルフレンドリーテストの実施

テクニカルSEOの要因が疑われる場合、Googleが提供するこれらのツールで具体的な問題点を診断します。

  • 活用方法: 主要なページ(トップページ、アクセスの多い記事ページなど)のURLを入力してテストを実行し、スコアだけでなく、改善提案の詳細を確認します。特に「改善できる項目」に挙げられている内容を一つずつ潰していくことが重要です。

5. 「site:」コマンド検索によるインデックス確認

Google検索で、site:あなたのサイトのドメイン名(例: site:example.com)と入力して検索を実行します。

  • 活用方法: これにより、現在Googleにインデックスされているおおよそのページ数を確認できます。この数がSearch Consoleのインデックス数と大きく異なる場合や、想定よりも極端に少ない・多い場合は、インデックス登録に何らかの問題(noindex設定ミス、クロール漏れ、低品質ページの大量インデックスなど)がある可能性が考えられます。また、検索結果に表示されるタイトルやスニペット(説明文)がおかしくないかも確認しましょう。

6. Google検索やSNSでの情報収集

順位変動があった時期に、他のサイト運営者も同様の変動を経験していないか、情報収集を行うことも有効です。

  • 活用方法: TwitterなどのSNSで「Googleアップデート」「順位変動」といったキーワードで検索したり、SEO関連のニュースサイトやブログをチェックしたりします。もし広範囲なアルゴリズムアップデートの影響が疑われる場合は、他のサイトの状況や専門家の分析を参考に、自社サイトの状況を判断します。

焦らず、一つずつ原因を特定し対策しよう

焦らず、一つずつ原因を特定し対策しよう

検索順位の下落に気づくと、つい焦ってしまいがちですが、冷静に状況を分析し、仮説を立てて検証していくことが問題解決への近道です。以下の点を整理してみましょう。

  • いつから順位が下がり始めたのか?
    • Search ConsoleやAnalyticsのデータから、具体的な時期を特定します。その時期に何かサイトに変更を加えたり、アルゴリズムアップデートの情報がなかったかを確認します。
  • 特定のページだけ下がったのか、それともサイト全体で下がったのか?
    • 影響範囲を特定することで、原因がページ単位の問題(コンテンツ、技術設定など)なのか、サイト全体に関わる問題(アルゴリズム変動、サイト構造、ペナルティなど)なのかを切り分けるヒントになります。
  • 特定のキーワードだけ下がったのか、それとも多くのキーワードで下がったのか?
    • 特定のキーワード群での下落は、そのキーワードに対するコンテンツの質や関連性、競合の変化などが原因である可能性が高いです。広範囲なキーワードでの下落は、より根本的な問題を示唆している場合があります。
  • 順位変動があった時期に、サイトに何らかの変更を加えたか?
    • サイトリニューアル、コンテンツの大量追加・削除、URL変更、プラグイン導入、サーバー移転など、変動時期と重なる作業がなかったか思い出してみましょう。その変更が原因である可能性も考慮します。
  • 変動があった時期に、Googleのアルゴリズムアップデートに関する公式発表や情報はあったか?
    • もし大きなアップデートとタイミングが重なる場合は、その影響を受けている可能性が高いと考えられます。

これらの情報を整理し、本記事で紹介した原因リストと照らし合わせながら、可能性の高い原因から順番に調査・検証を進めていきましょう。一つの原因だけでなく、複数の要因が複合的に影響している場合もあります。

まとめ:継続的な改善がSEO成功の鍵

検索順位の下落は、サイト運営者にとって大きなストレスですが、それは同時にサイトの問題点を発見し、改善するチャンスでもあります。原因を正しく特定し、一つひとつ着実に対策を講じていくことで、多くの場合、順位は回復、あるいは以前よりも向上させることが可能です。

重要なのは、一度順位が回復しても安心せず、継続的にサイトの健全性を保ち、ユーザーにとっての価値を高めていく努力を続けることです。

  • Google Search ConsoleとAnalyticsを定期的にチェックし、サイトの状態を常に把握する。
  • ユーザーの検索意図を深く理解し、それに応える高品質で独自性のあるコンテンツを作成・更新し続ける。
  • サイトの表示速度、モバイル対応、セキュリティなど、技術的な側面も定期的に見直し、最適化する。
  • Googleのガイドラインを常に意識し、ユーザーと検索エンジンの双方から信頼されるサイトを目指す。
  • SEOに関する最新の情報を積極的に収集し、変化に対応していく。

これらの基本的な取り組みを地道に続けることが、長期的に安定した検索順位を維持し、Webサイトを成功に導くための最も確実な方法と言えるでしょう。

もし、ご自身での原因特定や対策の実施が難しいと感じる場合は、無理せず信頼できるSEOの専門家や制作会社に相談することも有効な選択肢です。専門家の知見を借りることで、より迅速かつ効果的な解決につながることもあります。

  • この記事を書いた人

田中諒

10年以上に渡りSEOを生業としてきました。2019年からフリーランスとして活動開始中。編集者・コンテンツディレクターとしても活動しており、多くのWeb媒体でコンテンツ制作に関わる。

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