オンラインビジネスの世界において、サイト訪問者をお客様に変えることは最も重要な課題の一つです。せっかく広告費をかけて集客しても、最終的に申し込みやお問い合わせをしてもらえなければ、その投資は無駄になってしまいます。ここで重要になるのが「EFO(Entry Form Optimization)」です。
EFOとは、「エントリーフォーム最適化」を意味し、Webサイト上の入力フォームを改善して、フォームの完了率(コンバージョン率)を向上させる取り組みのことを指します。簡単に言えば、お客様がストレスなくフォームに必要事項を入力できるように工夫することです。
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EFO(エントリーフォーム最適化)の基本概念と目的
EFO(エントリーフォーム最適化)とは、Webサイト上の申し込みフォームや問い合わせフォームなどの入力画面を改善して、ユーザーの離脱率を減らし、フォーム完了率(コンバージョン率)を高めるための施策です。では、具体的にどのような考え方に基づいて、どんな目的で行われるのでしょうか。
EFOの基本概念
EFOの根本にある考え方は「ユーザーファースト」です。フォームはユーザーにとって「面倒」「時間がかかる」「難しい」という印象を持たれがちです。実際、フォーム入力を途中で諦めた理由として「入力項目が多すぎる」、「入力方法がわかりにくい」、「エラーメッセージの意味がわからない」といった回答が多く挙げられています。
EFOはこうしたユーザーの不満や離脱の原因を特定し、解消していくことで、ユーザー体験の向上とコンバージョン率の改善を同時に実現します。
EFOの主な目的
EFOには大きく分けて以下の3つの目的があります:
- コンバージョン率の向上: 最も直接的な目的は、フォームの完了率を高めることです。
- ユーザー体験の改善: スムーズな入力体験を提供することで、ユーザーの満足度を高めます。ユーザー体験が良ければ、そのブランドへの印象も良くなり、将来的な再訪問や口コミにもつながります。
- データ品質の向上: 適切なバリデーション(入力チェック)を実装することで、誤った情報や不完全なデータの登録を防ぎます。これにより、営業活動の効率化やマーケティング分析の精度向上にも貢献します。
EFOが対象とする範囲
EFOは単にフォームのデザインを変えるだけではなく、以下のような様々な要素を最適化の対象とします:
- フォームの構造(ステップ数、1ページあたりの質問数など)
- 入力項目(必須/任意の区分、項目数の削減など)
- UI/UXデザイン(レイアウト、色使い、ボタンデザインなど)
- エラーハンドリング(エラーメッセージの表示方法、リアルタイムバリデーションなど)
- 入力支援機能(住所自動入力、カレンダーピッカーなど)
フォーム最適化のプロセスは継続的なもので、データ分析と改善の繰り返しによって少しずつコンバージョン率を高めていきます。次のセクションでは、具体的なEFO改善のためのステップを見ていきましょう。
EFO改善のための具体的な7つのステップ

EFOを効果的に実施するためには、体系的なアプローチが必要です。以下に、コンバージョン率を向上させるための7つの具体的なステップを紹介します。
1. 現状分析と問題点の特定
まず最初に、現在のフォームがどこで離脱を引き起こしているのかを分析します。Googleアナリティクスなどの分析ツールを使って、フォームの各ステップでの離脱率を測定します。特に離脱率が高いポイントがEFO改善の重点ターゲットとなります。
実例:あるECサイトでは、住所入力画面での離脱率が38%と特に高いことが判明し、このステップに焦点を当てた改善が必要だとわかりました。
2. フォーム項目の最適化
不要な入力項目がないか見直し、本当に必要な情報のみを収集するようにします。調査によると、フォームの入力項目を11個から4個に減らしただけで、コンバージョン率が120%向上した事例もあります。
- 必須項目と任意項目を明確に区別する
- 複数のフォームに分割されている場合は統合を検討する
- 「あとで使うかもしれない」という理由だけの項目は削除する
3. ユーザーフレンドリーなデザイン導入
フォームのレイアウトや視覚的な要素を改善し、ユーザーが直感的に操作できるようにします。
- 入力欄のサイズを適切に設定(特にモバイル端末向け)
- 関連する項目をグループ化
- 進捗状況を表示(特に複数ステップのフォームの場合)
- コントラストの高い送信ボタンの設置
4. 入力支援機能の実装
ユーザーの入力の手間を省く機能を導入します。
- 郵便番号からの住所自動入力
- ドロップダウンリストやラジオボタンの活用
- カレンダーピッカーの導入(日付入力用)
- 自動保存機能(長いフォームの場合)
5. エラーハンドリングの改善
エラーメッセージをわかりやすく、かつ解決方法を示すようにします。
- リアルタイムバリデーションの導入(送信ボタンを押す前にエラーを表示)
- エラーの原因と解決方法を具体的に説明
- エラー箇所を視覚的に強調(赤枠や色付きの背景など)
6. モバイル対応の徹底
スマートフォンからの入力にも最適化します。日本のインターネットトラフィックの約65%がモバイル端末からのものであり、この対応は必須です。
- タップしやすい大きさのボタンや入力欄の設計
- キーボードタイプの最適化(メールアドレス入力時にはメールアドレス用キーボードを表示など)
- 画面サイズに応じたレイアウトの自動調整
7. A/Bテストと継続的な改善
複数のデザインや機能を比較テストし、データに基づいて改善を進めます。
- 一度に変更するのは1つの要素だけに限定(結果の因果関係を明確にするため)
- 十分なサンプルサイズ(訪問者数)を確保してから結論を出す
- 成功したテストの結果を他のフォームにも応用
これらのステップを順に実施し、データを収集・分析しながら継続的に改善していくことで、フォームのコンバージョン率を着実に向上させることができます。次のセクションでは、EFO改善に役立つ具体的なツールやテクニックを紹介します。
EFO改善に役立つツールとテクニック

EFOを効果的に実施するためには、適切なツールとテクニックを活用することが重要です。ここでは、フォーム最適化に役立つ代表的なツールとその活用方法を紹介します。
分析・診断ツール
1. ヒートマップツール
ユーザーの行動を視覚化してフォーム上での動きを把握するツールです。
- Hotjar(ホットジャー): クリックヒートマップ、スクロールマップ、フォーム分析などの機能を提供
- Crazyegg(クレイジーエッグ): 詳細なクリックヒートマップと滞在時間分析が可能
2. フォーム分析ツール
- Formisimo(フォーミシモ): フォーム入力に関する詳細な分析データを提供
- Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ): 無料で利用できるユーザーセッション録画とヒートマップツール
これらのツールを使うことで、どの質問でユーザーが躊躇しているか、入力に時間がかかっている箇所はどこかなどを特定できます。
フォーム作成・最適化ツール
1. フォームビルダー
使いやすいフォームを簡単に作成できるツールです。
- Typeform(タイプフォーム): 対話型で使いやすいフォームを作成可能
- SurveyMonkey(サーベイモンキー): 豊富なテンプレートと分析機能を提供
- Wufoo(ウーフー): ドラッグ&ドロップでカスタマイズ可能
2. A/Bテストツール
- Google Optimize(グーグル オプティマイズ): 無料で利用できるA/Bテストツール
- Optimizely(オプティマイズリー): 高度なA/Bテスト機能と詳細な分析を提供
具体的なテクニック
1. プログレスバーの活用
特に複数ステップのフォームでは、ユーザーが現在どの段階にいるかを示すプログレスバーを表示することで、完了までの見通しを持たせることができます。調査によると、プログレスバーの導入により平均で離脱率が12%減少するという結果も出ています。
2. 社会的証明の活用
フォーム周辺に「すでに5,000人以上が登録しています」などの社会的証明を示すメッセージを配置することで、ユーザーの不安を軽減し信頼感を高められます。
3. コンテキストヘルプの提供
入力項目の横に「?」マークなどでヘルプ情報を表示し、ユーザーが迷った時にすぐに参照できるようにします。特に専門的な質問や複雑な入力が必要な項目に効果的です。
4. 入力情報の保存機能
長いフォームの場合、自動保存機能を実装することで、ユーザーが途中で離脱しても、再訪時に続きから入力できるようにします。これにより、特に複雑なフォームでの完了率が向上します。
5. チャットサポートの統合
フォーム入力中に質問がある場合すぐに問い合わせできるよう、チャットサポート機能を統合することで、ユーザーの不明点をリアルタイムで解決し離脱を防ぐことができます。
これらのツールとテクニックを適切に組み合わせることで、より効果的なEFO施策を実施することができます。ただし、導入前には必ず自社のビジネスモデルや顧客層に合わせて検討し、必要に応じてカスタマイズすることが重要です。
まとめ:明日から始められるEFO改善アクションプラン
ここまでEFO(エントリーフォーム最適化)について、その基本概念から具体的な改善ステップ、活用すべきツールまで幅広く解説してきました。
EFOは一度実施して終わりではなく、継続的な改善が重要です。小さな変更でも積み重ねれば大きな効果につながります。例えば、フォーム完了率を5%向上させるだけで、年間数百万円の売上増加につながるケースも珍しくありません。
また、EFOはテクニカルな改善だけでなく、ユーザー心理を理解し、信頼感を醸成するコミュニケーション施策としての側面も大切です。ユーザーファーストの視点を常に持ち、「どうすればユーザーの負担を減らせるか」を考え続けることが、長期的な成功の鍵となります。
今日からEFO改善に取り組み、コンバージョン率向上とビジネス成長を実現していきましょう。